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副業詐欺の手口と見分け方|印象で判断すると見抜けない3つの基準

副業詐欺は、お金の流れ・収益の原理・相手の実在という3つの構造で見分けられます。

ところが怪しい雰囲気がするかどうかという印象は、判定の基準になりません。

実は初期に少額の報酬を実際に支払う手口もあります。そのあと信用させてから、追加送金を求める流れです。

3つのうち1つでも確認できなければ、その話からは手を引いてください

副業詐欺の代表的な手口と、構造で判定する見分け方を解説しています。ぜひ参考にしてください。

目次

副業詐欺は3つの構造で見分けられる

副業詐欺は3つの構造で見分けられる

副業詐欺は、怪しさの印象ではなく3つの構造で判定できます。

お金の流れ・収益の原理・相手の実在の3点を、次の表で照合してください。

要件確認する方法当てはまったときの意味
お金の流れ報酬より先に自分が払うか業務提供誘引販売取引の疑い
収益の原理報酬を誰が払うか説明できるか収益源が確認できない状態
相手の実在会社情報と振込先名義が一致するか個人名義口座は詐欺のサイン

まず3つを、順に確認していきましょう。

先に自分がお金を払う仕組みになっている

報酬を受け取る前に自分の支払いが発生する副業は、いったん手を止めてください。

この形は、特定商取引法が定める業務提供誘引販売取引に当たり得ます。

2026年8月24日に確認した消費者庁の特定商取引法ガイドを見てみましょう。

たとえば「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で、誘引します。加えて仕事へ必要だとして商品などを買わせる取引という説明です。

なお教材費・登録料・サポート費など、名目が変わっても判定は変わりません。

出典:消費者庁「業務提供誘引販売取引

収益が生まれる原理を説明できない

報酬を最終的に誰が払うのか、説明できない副業からは手を引いてください。

消費者庁は2025年2月6日、あるタスク副業への勧誘について注意喚起を行いました。

たとえば「動画をスクリーンショットした画像を送れば報酬がもらえる」とうたう手口です。

実際にはSNS広告をきっかけに、Telegram等のアプリへ誘導されます。その後、参加費用を支払わされるのです。

つまり報酬の出どころを説明できない仕事は、作業の対価ではありません。

加えて参加者の支払いが原資になっている可能性も、残ります。

出典:消費者庁「「タスク副業」で報酬が支払われるとうたい、実際には高額を送金させる事業者に関する注意喚起」2026年8月24日に確認。

相手と振込先の実在を確認できない

相手の実在を確かめるなら、会社名や所在地と振込先の名義がそろうかで判定してください。

ちなみに2026年8月24日に確認した消費者庁の注意喚起にも、明記があります。

投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺ですという内容です。

しかも連絡手段が、SNSやメッセージアプリだけの相手もいます。事業者としての情報も、出てきません。

この場合は、確認不能の状態です。

いずれにせよ名義と会社情報が一致しないまま、送金しないようにしましょう。

出典:消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった「もうけ話」にご注意ください

1つでも確認できなければ手を引く

3つの要件のうち1つでも確認できなければ、その話からは手を引いてください。

もちろん3つは、独立した条件ではありません。

むしろどれか1つが欠けるだけで判定は不成立です。

迷ったまま送金すると、回収の手間が一気に増えます。

だから支払う前に、立ち止まりましょう。

もっとも3つが確認できたとしても、収入が得られる保証にはなりません。

最後に疑問や不安を感じた段階でも、相談できるでしょう。相談窓口は、消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110になります。

副業詐欺の入口はSNSに移っている

副業詐欺の入口はSNSに移っている

副業詐欺の入口は、検索でたどり着くサイトからSNSへ移ったのです。

国民生活センターや警察庁の統計を見ると、きっかけも1件あたりの契約金額もこの数年で大きく動いています

はじめに、数字で現在地を確認してください。

きっかけの多くがSNSに変わった

実は相談のきっかけが、SNSへ変わったのです。

国民生活センターが2024年9月4日に公表した集計があります。簡単なタスクを行う副業のトラブルについての、相談件数などです。

2026年8月24日に、その集計を確認しました。その結果、相談のきっかけがSNSだった割合は次のとおりです。

年度相談件数SNSがきっかけの割合平均契約購入金額
2020年度1,341件23%279,519円
2021年度2,398件36.2%301,344円
2022年度2,793件43.9%533,233円
2023年度3,694件63.4%763,117円
2024年度
※7月31日まで
950件70.1%1,059,658円

※2026年8月24日時点で確認した、国民生活センターが2024年9月4日に公表した集計になります。2024年度の値は、同年7月31日までのPIO-NET登録分です。

直近の集計では入口の7割がSNSという状況になりました。

そのため複数のサイトを見比べて選ぶ機会が、そもそもありません。

しかもDMや広告から直接声をかけられ、判断材料が相手の言葉しかない状態で話が進みます。

出典:国民生活センター「スキマ時間に気軽に稼げる等とうたう副業トラブル!

1件あたりの契約金額が大きくなっている

1件あたりの契約金額も大きくなりました。

同様に平均契約購入金額も、2020年度は279,519円でした。

2024年度の7月31日までの登録分では、1,059,658円に達しました。

ただしこの金額は、相手方から請求された費用等を含む契約の平均額です。

一方、実際に失った額とは別の指標でしょう。

他方、警察庁は2026年5月22日に令和7年の確定値を公表しました。2026年8月24日に、内容を確認済みです。

副業を名目として現金等をだまし取る手口もあります。認知件数2,071件・被害額35.8億円という集計です。

特殊詐欺の一類型として、令和7年から統計が始まりました。

同じく特殊詐欺の総認知件数に占める割合は、7.4%です。

したがって数万円で済む話ではなくなっている前提で判断してください。

出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」2026年8月24日に確認。

やり取りはLINEや専用アプリへ移される

SNSで接触したあと、やり取りはメッセージアプリや専用アプリへ移されます。

ちなみに消費者庁も、タスク副業型の手口を公表済みです。

SNS広告から誘引されるのが、入口でしょう。続いてTelegram等のアプリ上で、参加費用の支払いを求められます。

個別のトーク画面に移ると、会社概要も特定商取引法に基づく表記も確認できないまま話だけが進むのです。

もっともサイトの表記を見て判断するのは、従来の見分け方でしょう。DM経由の勧誘では、機能しない場面もあります。

よって別の基準を、持ってください。

副業詐欺のよくある手口10パターン

副業詐欺のよくある手口10パターン

副業詐欺の手口は、大きく10パターンに整理できます。

入口はSNS広告やマッチングアプリなどさまざまです。

とはいえどの型も3要件のどれかが欠けている点は共通しています。

まず型ごとに、どこで金銭を取られるのかを確認してください。

タスク副業型|作業ミスを口実に追加送金させる

SNS広告やダイレクトメッセージから誘われる場合に、よく使われる文句です。

「動画をスクリーンショットして送るだけで報酬がもらえる」と持ちかけられます。

一方、消費者庁もTelegram等のアプリ上で参加費用を払わされる手口を公表済みです。

そのあと「作業ミス」などの名目で、高額な追加送金を求められます。

作業ミスを口実にした追加送金の要求は、報酬を受け取る側が支払う流れです。

ゆえにお金の流れの要件を、満たしません。

国民生活センターも、注意を促しています。最初に少額の報酬を得られることで、信用してしまいがちでしょう。

情報商材型|高額なマニュアルを買わせる

情報商材型は、副業のマニュアルや教材を買わせる型です。

たとえば「簡単な作業をするだけで稼げる」といった広告が、入口になります。

お金が取られるのは教材の購入時で、仕事の前に購入代金だけが確定する点が特徴でしょう。

買ったマニュアルの通りに動いて、なぜ収入が生まれるのでしょうか。

答えられないなら、収益の原理の要件を欠いた話です。

なお仕事に必要だとして商品を買わせる取引もあります。特定商取引法上の業務提供誘引販売取引に、当たり得るのです。

この点も、押さえておきましょう。

サポート契約型|稼ぐために必要と追加契約させる

作業を始めたあとで「成果を出すために必要」と言われます。

そして高額なサポートプラン契約へ、進ませる型です。

稼ぐために必要と言われて結ぶ追加契約は、収入より先に支出が確定する構造になります。

よってお金の流れの要件を、満たしません。

それゆえサポートの中身と収益が生まれる筋道を確認できない段階では、契約を保留してください。

契約前に、支払う金額と受け取れる役務の対応関係を紙に書き出して確かめましょう。

投資・FX型|副業から資産運用へ誘導する

投資・FX型は、副業の話から入り途中で資産運用へ誘導していく型です。

同じく消費者庁も、SNS上で投資や副業のもうけ話を持ちかける手口に注意を促しています。

お金は、入金や証拠金の名目で移動する形です。

さらに振込先に個人名義の口座を指定される場合について、消費者庁は詐欺だと明言しました。

口座の名義も運用の仕組みも確認できないなら、お金の流れと収益の原理の両方を欠いた話でしょう。

よって送金を、止めてください。

ロマンス型|恋愛関係を築いてから誘う

マッチングアプリやSNSで恋愛感情を伴う関係を築いたうえで、金銭を求める型です。

警察庁は、SNS等を通じて対面することなく交信を重ねて信用させる詐欺を集計しています。

恋愛感情や親近感を抱かせて金銭等をだまし取る手口が、SNS型ロマンス詐欺です。

金銭は相手を信用したうえでの送金という形で、出ていきます。

そのため相手の実在を確認できない点が、最大の弱点でしょう。

直接会って話せない、勤務先や本名を確かめられないという状態なら、相手の実在の要件は満たされていません。

なりすまし型|著名人の名前で信用させる

令和5年度下半期以降に増えたのが、著名人や有名人の名前と写真を使う型です。

続いて広告やアカウントから、投資や副業のグループへ招かれるでしょう。

消費者庁も、著名人・有名人のなりすましと考えられる事例が増加傾向にあると注意喚起しました。

実際に連絡を取る相手は、名前を借りただけの別人です。

むしろやり取りの相手が誰なのか最後まで分からないまま、入金だけが進みます。

もちろん名前の有名さは、実在の裏づけになりません。

相手の実在を確認できない時点で、話から離れてください。

内職・資格型|仕事の前に受講料を払わせる

仕事の前に受講料や教材費を払わせる場合に、使われる誘い文句があります。

「在宅の内職を紹介する」「この資格があれば仕事を回せる」といった言い方です。

特定商取引法は、仕事を提供して収入が得られるという口実で誘う取引を定めました。

その仕事に必要と称して商品や役務を購入させる形が、業務提供誘引販売取引でしょう。

仕事の紹介より先に支払いが発生する時点で、お金の流れの要件から外れるのです。

もっとも業務提供誘引販売取引に当たる契約なら、無条件で解除できます。期限は、法定書面の受領日から20日以内です。

いずれにせよ契約日と書面を、必ず保管してください。

物販代行型|ネットショップや輸入を装う

ネットショップの運営代行や輸入販売の仕組みを提供すると、持ちかけられます。

そのうえで初期費用や仕入れ代金を求めるのが、この型です。

商品も販売先も確かめられないまま、仕入れ代金だけが先に出ていく流れになりやすくなります。

だから入金前に、取引の実体を確認してください。

他方、誰に何を売って利益が出るのかはっきりしない話もあります。自分の言葉で説明できないなら、収益の原理の要件を満たしていません。

在庫や仕入れの現物を確認できない話には入金しないと決めておきましょう。

出会い系型|サクラやチャットレディを装う

出会い系型は、サイトやアプリでのやり取りだけで報酬が出ると誘う型です。

さらにポイント購入や登録料を、求められます。

加えて入口が個人間のやり取りなので、勧誘元の事業者が誰なのかも見えにくくなるでしょう。

報酬を受け取る側が、先に入金するよう求められていないか確かめてください。名目は、手数料や認証料です。

やり取りの相手が実在の利用者か確認できない状態では、報酬が生まれる原理も検証できません。

相手の実在と収益の原理が、二重に不明です。

入金を求められた時点で、手を引いてください。

マルチ型|人を紹介させて報酬を得させる

知人やSNSの相手から誘われる場合に、注意したい型もあります。

「人を紹介すれば報酬が入る」と言われ、会員登録料や商品の購入を求められる形です。

特定商取引法は、個人を販売員として勧誘する取引を規制の対象に定めています。

さらにその個人に次の販売員を勧誘させる形が、連鎖販売取引です。

収入源が商品の販売ではなく、紹介の連鎖にある場合もあります。自分の収入は、次の参加者の支出から出るのです。

いずれにせよ収益の原理を第三者へ説明できない話は、避けてください。

判断に迷うときは、消費者ホットライン188へ相談しましょう。

「怪しい」という印象だけで見分けられる?

「怪しい」という印象だけで見分けられる?

「なんとなく怪しい」という印象だけでは、副業詐欺を見分けられません。

なぜなら勧誘する側は、印象を良く見せる作りを用意しているからです。

しかも実際に報酬が振り込まれる段階まで組み込まれています

印象が判定基準として弱い理由と、印象を活かせる場面を順に押さえてください。

印象だけでは判断を誤る

勧誘する側が作り込めるのが、印象という材料でしょう。

消費者庁が注意喚起したのは、なりすましの事例です。SNS上で著名人・有名人を装い、投資や副業のもうけ話を持ちかけます。

令和5年度下半期以降、増加傾向にあるという内容です。

つまり信頼できそうに見えること自体が、相手の設計に含まれている場合もあるでしょう。

その結果、見た目の粗さで判断する限り丁寧に作り込まれた勧誘ほど疑いにくくなります。

だから判定の軸を、印象の外側に置いてください。

少額の報酬が実際に振り込まれる

入金があった事実は、相手が本物である証拠になりません。

国民生活センターは、最初に少額の報酬を得られることで信用してしまいがちだと促しています。

そのうちさまざまな理由をつけて、お金を要求されるという注意です。

少額の入金は、追加送金を引き出すための元手として使われていると考えてください。

実際に消費者庁が注意喚起したタスク副業型でも、参加費用を支払わせる流れが確認されました。

そのあとに「作業ミス」等の名目で、高額な追加送金をさせる手口です。

「一度は振り込まれた」を安全の根拠にせず、次に何を求められているかで判断しましょう。

出典:国民生活センター「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」2026年8月24日に確認。

正規の副業にも当てはまる特徴がある

先にお金が動くこと自体が、詐欺のしるしになるわけではありません。

例えば有料のスクールやツールの利用料、成果報酬型で報酬が後払いになる案件もあります。

いずれも支出や待ち時間が、先に来る形です。

判定を分けるのは、収益の原理を説明できるかと、相手が実在するかの2点になります。

受講料の対価が何か、報酬の出どころが誰の売上なのかを答えられない相手もいるでしょう。

その場合は金額の大小に関係なく、手を引いてください。

逆に説明と実在の裏づけが取れる案件まで、避ける必要はありません。

むしろ恐れて機会を手放すより、確認の順序を持っておきましょう。

印象は補助の材料として使う

違和感を覚えたときは、印象を確認の合図として使ってください。

判定そのものではなく、始まりの合図という位置づけです。

消費者庁は、投資資金の振込先として個人名義の口座を指定されることを詐欺だと明言しました。

ならば個人名義の口座を指定された時点で送金を止めるという扱いで構いません。

そのうえでお金の流れ、収益の原理、相手の実在の順に確かめてください。

判断がつかないまま金額が大きくなる前に、相談しましょう。窓口は消費者ホットライン「188」や、警察相談専用電話「#9110」です。

最後に印象は入口、判定は3つの構造という順序で扱えば、正規の案件を見送りすぎることも防げます。

勧誘を受けたときに確認する手順

勧誘を受けたときに確認する手順

勧誘を受けたら、次の6点を上から順に確認してください。

  1. 運営者名と所在地
  2. 特定商取引法に基づく表記
  3. 振込先の口座名義
  4. 契約内容を記した書面
  5. 公的機関の注意喚起
  6. 家族や第三者への説明

途中で1つでも確認できない項目が出た時点で、その副業からは手を引く判断ができます。

運営者名と所在地を調べる

確認するのは、運営者の会社名・代表者名・所在地の3点です。

続いて聞き出せたら、その社名と住所をそのまま検索しましょう。

実在する事業所かどうかを、照合してください。

SNSのアカウント名やハンドルネームしか出てこない相手には、責任を負う主体が存在しません。

また消費者庁は、なりすましの事例が増えたと公表しました。著名人を装って、投資や副業のもうけ話を持ちかける手口です。

令和5年度下半期以降の傾向になります。

名乗った相手が本人かどうかは、公式サイトなど別の経路で裏を取りましょう。

運営者の実在が確認できないなら、その時点で判定不能として手を引くのが安全になります。

特定商取引法に基づく表記を確認する

申込画面や案内ページに、特定商取引法に基づく表記があるかを確かめてください。

2026年8月24日に、消費者庁の特定商取引法ガイドを確認しました。同法が対象として挙げる取引類型は、次のとおりです。

  • 訪問販売
  • 通信販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引
  • 特定継続的役務提供
  • 業務提供誘引販売取引
  • 訪問購入

仕事を提供するので収入が得られると、誘う手口もあります。その仕事に必要と称して、商品や役務を買わせる取引です。

この場合は、業務提供誘引販売取引に当たります。

ところが表記が無い、または事業者名と連絡先が空欄のままの相手も見かけるでしょう。

その結果、法が求める最低限の開示すら満たしていません。

表記を確認できない副業案件は契約の土俵に乗せないと決めておきましょう。

出典:消費者庁「特定商取引法とは

振込先の名義が法人かを確認する

振込先を指定されたときは、口座名義が法人名かどうかを必ず見てください。

消費者庁は、ある指定について明言しました。投資資金の振込先が個人名義の口座なら、それは詐欺だという内容です。

もちろん法人が運営する事業なら、参加費や報酬の入出金は法人口座を通すのが通常でしょう。

個人名や見慣れないカタカナ名義を告げられる場合もあります。

その場合はそれ以上の送金はせず取引を打ち切る判断をしてください。

名義を明かさないまま先に入金を求める相手も、同じ扱いで構いません。

契約内容を書面で出してもらう

契約内容は、口頭で済ませないでください。

書面または電磁的記録で、出してもらいましょう。

業務提供誘引販売取引に当たる契約なら、無条件で解除できます。期間は法定書面を受け取った日から数えて、20日以内です。

けれども書面が渡されない限り、その20日の起算点そのものが示されません。

なお事実と違うことを言われたり威迫されたりして誤認・困惑した場合もあります。

この場合は20日を過ぎても、クーリング・オフが可能です。

書面を渋る相手とは契約しないという線を、勧誘を受ける前から引いておきましょう。

公的機関の注意喚起を検索する

サービス名・事業者名・アプリ名を、公的機関の注意喚起と一緒に検索してください。

調べる先は、消費者庁や国民生活センターです。

実は消費者庁も、タスク副業型について事業者を特定したうえで注意喚起を出しています。

例えば動画をスクリーンショットして送るだけで報酬がもらえる、とうたう手口です。

検索で名前が挙がっていれば、その一件だけで手を引く十分な理由になります。

ただし出てこないことは安全の証明にはならないので、残りの確認も飛ばさないでください。

家族や第三者に説明してみる

勧誘された内容を家族や職場の同僚に伝えるときは、聞いたとおり説明してみましょう。

誰が何をして、どこから利益が出るのかを人に説明できるでしょうか。

できないなら、自分もその仕組みを理解していません。

説明できない収益構造は、理解していない証拠として扱ってください。

反面、1人で抱えると初期に少額の報酬が実際に支払われた事実だけで信用してしまいます。

おわりに、6つの確認のうち1つでも通らなければその副業からは手を引きましょう。

お金を払ってしまった場合の対処法

お金を払ってしまった場合の対処法

すでに支払ってしまった場合は、追加の支払いを止めてください。

次に記録を残し、クーリング・オフの可否を確認し、公的窓口へ相談する順に進めます。

動き出しが早いほど、残る選択肢は多くなります

ただし返金を保証できる手段は、存在しません。

一人で抱え込まず、公的な窓口を使いましょう。

追加の支払いをすぐ止める

最初に止めるべきは、相手に指定された追加の入金です。

例えば国民生活センターに寄せられた事例では、振り込むほどに次の請求が続きました。

合計20万円を振り込んだ相談も、紹介されているのです。

取り戻すための送金に応じないことが、被害額を抑える分岐点になります。

そのため相手からの督促には、返信しないでください。

また消費者庁は、振込先に個人名義の口座を指定された場合、それ自体が詐欺だと明言しています。

入金を完全に止めたうえで、次の対応へ移りましょう。

やり取りと入金の記録を保存する

相談や手続きに入る前に、やり取りと入金の記録をまとめて保存してください。

消費者庁が公表したタスク副業型の手口を見てみましょう。勧誘から支払いまでが、Telegram等のアプリ上で進みます。

反面、相手がアカウントを消してしまえば会話も振込先の情報も後から取り出せません。

保存しておく対象は、次のとおりです。

  • 勧誘に使われたSNS広告や投稿
  • チャットのやり取り全文
  • 契約書面や案内された規約
  • 振込明細や決済の履歴
  • 相手の口座名義と連絡先

画面を撮影して日付ごとに整理すると、窓口での説明が短時間で済みます。

逆に記録がそろっていない状態では、窓口も状況を正確に判断できません。

クーリング・オフができるか確認する

副業の勧誘が業務提供誘引販売取引に当たる場合、法定書面を受け取った日から数えて20日以内なら無条件で解除できます。

事業者が事実と違うことを言ったり威迫したりして、誤認・困惑させていた場合もあるでしょう。

その場合は、20日を過ぎた後の解除も可能です。

ちなみにネット上で見かける「8日以内」は、訪問販売や電話勧誘販売など別類型の期間になります。

ゆえに8日を過ぎたから無理だと決めつけないでください。

クーリング・オフをした場合、事業者は契約の解除に伴う損害賠償や違約金の支払を請求できません。

同様に商品の引取り費用も、事業者の負担になります。

自分の契約がどの類型に当たるかは、書面と勧誘の経緯を窓口で確認してもらいましょう。

出典:消費者庁「業務提供誘引販売取引」2026年8月24日に確認。

消費者ホットラインに相談する

記録がそろったら、公的な相談窓口へ連絡してください。

国民生活センターと消費者庁が案内している入口は、消費者ホットライン188です。

警察相談専用電話#9110も、全国共通の番号として案内されています。最寄りの警察の相談窓口に、つながる番号です。

一方、返金できるかどうかは契約の類型や支払いの経緯ごとに変わります。

したがって自己判断で、結論を出さないでください。

契約金額が大きい場合もあります。相手と連絡が取れないなら、弁護士への相談も現実的な選択肢でしょう。

返金をうたう業者による二次被害を避ける

窓口を探すときは、返金保証をうたう業者に費用を払わないでください。

消費者庁も、被害回復をうたった二次被害にあう可能性があるとして注意を呼びかけています。

というのも回収の結果は個別の事情に左右されるので、誰も確約できません。

連絡先が個人名義の口座やチャットアプリしかない相手もいるでしょう。

実在を確認できないという点で最初の勧誘と同じ構造です。

費用を払う前に、188や#9110、弁護士会の相談窓口といった公的な入口から確認しましょう。

詐欺に遭いにくい副業の選び方

詐欺に遭いにくい副業の選び方

詐欺に遭いにくい副業は、初期費用が発生しない仕事です。

そのうえ報酬の出どころと運営元も、はっきりしているでしょう。

判定に使う3つの構造を、選ぶ側から裏返した基準になります。

次の4点を順に確認して、候補を絞りましょう。

初期費用が発生しない仕事から始める

働く前にお金を払う仕事は、候補から外してください。

仕事の紹介を名目に、商品や役務を買わせる取引もあります。特定商取引法では、業務提供誘引販売取引として定義された取引です。

国民生活センターの集計では、簡単なタスク副業に関する相談の平均契約購入金額も上がりました。

2024年度の7月31日までの登録分では、1,059,658円です。

けれども払ってしまえば、取り戻すのは簡単ではありません。

ゆえに報酬を受け取る前に支払いがある仕事は選ばないという線引きが、最初の防波堤になります。

初期費用のかからない仕事の具体例は、おすすめの副業15選で確認してみてください。

報酬の出どころが説明できる仕事を選ぶ

報酬の出どころを、自分の言葉で説明できる仕事だけを選びましょう。

誰が、何の対価として払うのかを言えるなら、その仕事の収益の原理は明確です。

ところが動画のスクリーンショットを送るだけで報酬が出るという誘いもあります。

消費者庁が注意喚起した手口として、公表されたのです。

報酬の原資を説明できない仕事は引き受けないと決めておいてください。

最後に作業内容と支払元がつながっているかを、契約前に紙へ書き出して確かめましょう。

運営元が明確なサービスを経由する

運営元が明確なサービスを経由するなら、実在の確認は自力で可能です。

法人名や所在地、特定商取引法に基づく表記が公開されている相手を選んでください。

消費者庁は、投資資金の振込先に個人名義の口座を指定されることを詐欺だと明言しています。

したがってやり取りがSNSやチャットアプリだけで完結する話は受けないと決めておきましょう。

また消費者庁は、令和5年度下半期以降の傾向にも注意喚起しました。著名人になりすました勧誘が、増加傾向にあるのです。

それゆえ発信者の名前だけを、信用しないでください。

求人サイトやクラウドソーシングのように、運営会社が間に入る経路もあります。そこから始めると、確認の手間も減るでしょう。

収入の見込みを自分で計算する

はじめに作業1件あたりの単価に、確保できる時間でこなせる件数を掛けてください。

そうすれば、月の見込み額を試算できます。

収入の見込みは募集側の説明ではなく、自分で計算しましょう。

計算が合わない数字を出す募集は、その時点で候補から外すのが安全です。

簡単な作業で誰でも1日数万円という勧誘もあります。公的機関が注意喚起してきた文言と、重なるのです。

おわりに、手を出さないほうがよい副業の見分け方も下記の記事にて詳しく解説しました。

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副業の話は印象ではなく構造で判断する

副業の話は、お金の流れ・収益の原理・相手の実在という3点で判断してください。

先に払わせる、稼げる仕組みを説明できない、運営者の実在が確認できない。いずれかが当てはまるなら、そこで手を引きましょう。

印象で迷うときほど、見る場所を3つに絞ると判断がぶれません。

判断に迷ったら、消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110へ相談してください。

副業詐欺の手口と見分け方|印象で判断すると見抜けない3つの基準
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