フードデリバリーの配達員は、就業規則の確認・稼働時間帯の設計・申告と住民税の手順という3つの準備を先に済ませれば、会社員の副業として現実的に始められます。
逆に準備を飛ばすと、勤務先とのトラブルや申告漏れという形で、あとから跳ね返ってきかねません。
報酬の決まり方から確定申告と住民税の手順まで、登録前に決めておきたい点をまとめました。
ぜひ参考にしてください。
フードデリバリー副業は準備3点で始められる

フードデリバリーの配達員は、次の3つの準備を先に済ませれば会社員の副業として始められます。
始めるかどうかを判断する材料になるので、自分が詰まっている項目から順に確認してください。
就業規則で副業の可否を確認する
最初に開くのは、勤務先の就業規則です。
フードデリバリーは業務委託契約での稼働になるので、届出や許可を求める会社で無断で始めると規則違反を問われる可能性があります。
副業の項目に「許可制」「届出制」「原則禁止」のどれが書かれているかを読み、判断がつかなければ人事に確認してください。
バイクや自動車で走るなら、車両の使用や通勤に関する規定もあわせて見ておくと安心です。
会社がどこまで禁止できるのかは、下記の記事にて整理しています。
就業規則が副業を制限できる範囲は、4類型までです。まず労務提供上の支障・秘密の漏洩・名誉信用の毀損・競業が、その中身になります。「副業禁止」と書いてあっても、それだけですべての副業が禁じられるわけではありません。範囲を先に確かめましょう[…]
稼働できる時間帯を先に決める
稼働する時間帯は、登録より先に週単位で決めておきましょう。
2026年9月7日に確認した出前館の配達員募集ページでは、基本報酬400円に配達距離・曜日・時間帯・天候を考慮したブーストが加算されると案内されていました。
Uber Eatsの予定配送料も注文量と稼働中の配達パートナー数を算定に含むため、注文が増える時間帯に稼働を寄せるほど金額が動きやすくなります。
平日は夜だけ、土日は昼をまとめて動くというように、本業の勤務と重ならない枠を先に押さえてください。
確定申告と住民税の手順を把握する
所得が年間20万円を超えるかどうかで、必要な手続きは変わります。
目安になるのは、国税庁のタックスアンサーNo.1900です。
2026年9月7日に確認したところ、給与を1か所から受けて源泉徴収されている方は、配達の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要とされていました。
住民税は所得の額にかかわらず申告が要るので、経費の領収書と稼働記録は初月から残しておきましょう。
帳簿書類を保存していれば事業所得、記帳がなければ業務に係る雑所得という区分になります。
副業のフードデリバリーはどのくらい稼げる?

副業のフードデリバリーで受け取れる金額は、稼働した時間の長さではなく、受けた配達の件数と1件ごとの条件で決まります。
単価に件数を掛けただけの試算は上ぶれしやすいので、報酬の中身から順に確認してください。
報酬は1件ごとの成果報酬で決まる
成果報酬とは、働いた時間ではなく配達1件ごとに金額が積み上がる仕組みのことです。
2026年9月7日に確認したUber Eatsの報酬体系の説明では、配達パートナーの報酬は配送料とチップの2つで構成されると示されていました。
配送料の算定に入るのは、次のような要素です。
- 配達に要する予定時間
- 受け取りおよびお届け先の数
- 交通状況
- 受け取り場所での待機時間
- 注文量および稼働中の配達パートナー数
※2026年9月時点の公式サイトの記載です。
算定の要素は改定されることがあります。
出前館は業務委託の成果報酬制で、基本報酬400円に距離や曜日などのブーストが加算される仕組みでした。
件数が伸びない日は、同じ時間だけ動いても受け取る額が小さくなると考えてください。
待機と移動の時間は報酬に含まれない
アプリを開けて注文を待っている時間そのものには、報酬が付きません。
報酬が発生するのは配達を1件終えたときなので、リクエストが来ない時間は無報酬のまま過ぎます。
ただしUber Eatsは、受け取り場所での待機時間を配送料の算定要素の一つに挙げています。
時間ではなく件数で金額が決まる以上、待機と空車移動は無報酬です。
単価と件数を掛けた試算は待機の時間を含まないので、実際の1時間あたりの収入より高く出ると考えてください。
平日夜だけ、週末だけといった短い稼働ほど、待機がどれくらい混じるかで結果が動きます。
加算が付きやすいのは夜と週末
加算が付きやすいのは、ブーストの算定条件に合う時間帯と曜日に走ったときです。
出前館のブーストは、配達距離のほか曜日や時間帯、天候を考慮して決まります。
公式の案内は、曜日の例に休日を、時間帯の例にお食事時を挙げていました。
この2つが条件に入っている以上、会社員が動ける平日の夜や休日は、加算が乗る枠と重なりやすいでしょう。
Uber Eatsの配送料も注文量と稼働中の配達パートナー数で動くため、注文が集中する時間帯は金額が変わります。
加算の内容や条件は一定ではないので、稼働前にアプリで当日の条件を確認してください。
月25万円の見出しは副業の目安にならない
月25万円といった数字は、良い条件の日が続いた場合の理論上の最大値として読んでください。
配達1件ごとの報酬は距離・時間帯・エリア・天候・加算の有無で動きます。
注文を待つ時間と空車の移動は、それ自体では報酬になりません。
平均単価や平均月収の数値は、Uber Eatsと出前館の公式サイトでは確認できません。
ほかの方の実績をそのまま自分の予定に当てはめるのではなく、最初の1か月は自分の件数を記録して、そこから見込みを立てましょう。
会社員が副業で始める前に確認すること

配達を始める前に確認するのは、勤務先の就業規則・住民税の仕組み・納め方・公務員の扱いの4点です。
手続きの順番を知らないまま稼働を始めると、会社との約束を破る形になりかねません。
会社員と公務員で結論が変わる部分もあるので、順に確認してください。
就業規則の副業規定と届出の有無
最初に開くのは、勤務先の就業規則です。
副業に関する条文がどこにあるかを探してください。
規定は全面禁止・許可制・届出制のいずれかであることが多く、どれにあたるかで始める前の手続きが変わります。
2026年9月7日に確認した厚生労働省のモデル就業規則は、第70条で勤務時間外の副業を認める規定例を示していました。
許可制なら申請から承認まで日数がかかる場合もあるので、稼働開始日から逆算して動きましょう。
条文が見当たらない、あるいは書き方があいまいで判断に迷うなら、人事や総務に問い合わせるのが確実です。
無断で始めた場合、就業規則違反として懲戒の対象になり得ます。
住民税は本業と合算して計算される
住民税は、その方が1年間に得た所得をまとめて計算する仕組みです。
確定申告をすると税務署から市区町村へ申告内容が伝わり、自治体は本業の給与と配達の所得を合算した住民税額を決めます。
会社員の住民税は給与から天引きされる特別徴収が基本なので、その通知は勤務先に届きます。
給与の額と釣り合わない住民税額が、勤務先が給与以外の収入に気づくきっかけになる、というのが実際の流れです。
隠す前提で考えるのではなく、把握され得る前提で準備を進めてください。
業務委託なら自分で納付を選べる
業務委託として報酬を受け取る場合は、住民税の納め方を自分で選べます。
確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄には、給与所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選ぶ箇所があります。
ここで自分で納付(普通徴収)にすると、その分の住民税は給与から天引きされず、納付書で自分で納める形です。
気をつけたいのは、アルバイトやパートのように給与所得で受け取る副業では、原則としてこの選択ができない点になります。
フードデリバリーの多くは業務委託契約で、雑所得または事業所得として申告する働き方です。
公務員は原則として副業できない
公務員が報酬を得て事業に従事するには、あらかじめ許可を受ける必要があります。
2026年9月7日に確認した国家公務員法第104条が定める許可の相手は、内閣総理大臣と所轄庁の長でした。
地方公務員法第38条にも、任命権者の許可なく報酬を得て事業に従事してはならないという定めがありました。
配達の報酬は継続して受け取る収入にあたるので、勤務先の規程や許可の要否を確かめないまま始めるのは避けてください。
処分の対象になれば、副収入を得るどころか本業を失いかねません。
立場や勤務形態ごとに扱いが変わることもあり、自己判断は危険です。
許可が要る場合と要らない場合の線引きは、下記の記事にて整理しています。
公務員の副業に、いくらまでという一律の金額上限はありません。できる範囲は許可がいらない範囲・許可を得ればできる範囲・許可を得ても認められない範囲の3層で決まります。判定を誤ったまま始めると、懲戒処分の対象になりかねません。とはいえ最[…]
フードデリバリー副業の税金と申告の手順

フードデリバリーの税金は、確定申告・住民税・所得区分・経費・記帳の5つに分けて考えると整理できます。
それぞれ期限も窓口も別なので、稼ぎ始める前に手順の全体像をつかんでおきましょう。
所得20万円超で確定申告が必要になる
所得が20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要です。
給与を1か所から受けていて全額が源泉徴収されている方は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の申告は原則として要りません。
ここでの所得は売上そのものではなく、配達報酬から経費を差し引いた残りを指します。
業務委託だから申告しなくてよいという理解は誤りで、配達報酬には源泉徴収がないぶん、かえって申告義務が生じやすい働き方になります。
医療費控除などの理由で確定申告をするときは、20万円以下の配達所得もあわせて申告の対象に含めてください。
住民税は20万円以下でも申告する
住民税に20万円ルールはありません。
国税庁タックスアンサーNo.1900が定めているのは所得税の申告が要るかどうかだけで、住民税は別の手続きです。
2026年9月7日に確認した名古屋市の市民税・県民税のQ&Aは、住民税に所得税のような申告の省略範囲は無いと説明していました。
所得税の申告が不要な範囲で稼いだ場合でも、住民税は所得の金額にかかわらず申告が必要という整理になります。
確定申告をすれば税務署から自治体へ情報が回るため、住民税の申告を重ねて行う必要はありません。
確定申告をしない年は、お住まいの市区町村の窓口へ住民税の申告書を提出してください。
帳簿を保存すれば事業所得で扱える
事業所得と業務に係る雑所得の区分は、収入金額300万円という金額だけの線引きではありません。
2026年9月7日に確認した所得税基本通達35-2は、事業所得かどうかを社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すると定めていました。
そのうえで、取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は業務に係る雑所得にあたると注記しています。
この注記の例外は、収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合です。
この区分は令和4年10月7日付の法令解釈通達で明確化されました。
線引きに迷うときは、税務署や税理士に確認してください。
経費として記録しておくもの
経費として記録するのは、配達のために直接かかった支出です。
配達に使う自転車やバイクの購入費・修理費、燃料代、配達バッグ代、注文を受け取るスマートフォンの通信費などが候補になります。
バイクや車で配達する場合、出前館では任意保険への加入が応募条件なので、その保険料の明細も残しておきましょう。
私用と兼用している支出は全額を経費にできるとは限りませんので、使った割合がわかるメモを添えてください。
どこまで経費に含められるかは個々の状況で変わります。
判断がつかない支出は、日付と金額と用途を記録したうえで税務署に確認するのが確実です。
記帳はアプリと会計ソフトで済ませる
配達アプリの支払い明細を書き出すところから記帳を始めます。
Uber Eatsはドライバー用アプリで週単位の売上を確認できます。
出前館は毎月15日と末日が締め日で、各締め日から5営業日以内に登録口座へ入金される決まりでした。
入金の周期が違うので、月ごとに売上を集計する形へそろえておくと、あとの計算で迷いません。
会計ソフトを使うなら、口座を連携して入金データを取り込み、経費はレシートを撮影して登録していく流れです。
事業所得で申告するなら帳簿の保存が前提になるため、月に一度は記帳の時間を確保してください。
※最新の税制は国税庁公式サイトをご確認ください
副業に合うサービスの選び方

副業として選ぶなら、判断の軸は報酬体系・対応エリアと注文数・支払いサイクル・稼働できる時間帯の4つです。
どれか1つでも生活のリズムと噛み合わないと、平日夜だけの稼働では手応えが出にくくなります。
4つの軸を順に当てはめて、自分の時間に無理なく収まるほうを選んでください。
報酬体系と加算の仕組みで選ぶ
報酬体系とは、1件の配達でいくら受け取れるかを決める計算の仕組みのことです。
Uber Eatsは配送料にチップが乗る形で、配送料は配達に要する予定時間や交通状況などから算出されます。
算定には注文量と稼働中の配達パートナー数も入るため、需要と供給で金額が動く設計です。
出前館は成果報酬制で、基本報酬400円に配達距離・曜日・時間帯・天候を踏まえたブーストが加算されます。
見るべきは基本の単価だけではありません。
加算がどんな条件で発生するかを先に読み、自分が動ける曜日と時間に加算が付くかで判断しましょう。
対応エリアと注文数で選ぶ
住んでいる地域が配達エリアから外れている場合は、そもそも稼働ができません。
エリア内であっても、加盟店の数と注文の入り方は駅前と住宅街で大きく変わります。
会社員の稼働は平日の夜と休日に偏るので、平日19時前後に注文が動くエリアかを先に確かめてください。
確かめ方は単純で、各サービスの注文用アプリを自宅の住所で開き、配達可能な店舗が何軒表示されるかを見るだけです。
数えるほどしか店がない地域では待機と移動の時間が伸び、時間あたりの手取りが下がっていきます。
報酬の支払いサイクルで選ぶ
出前館の締め日は毎月15日と末日で、各締め日から5営業日以内に登録銀行口座へ入金されます。
Uber Eatsの支払いは週単位で、売上はドライバー用アプリから確認する形です。
入金の間隔は副業の続けやすさに直結します。
自転車の整備費やスマホの通信費など先に出ていくお金があるため、月2回の入金だと立て替える期間が長くなります。
家計の補填が目的なら短いサイクル、貯蓄に回すつもりなら月2回でも困りにくい、という順で選んでください。
稼働できる時間帯に合うかで選ぶ
稼働できる曜日と時間を書き出してから、そこに合うサービスかを照らし合わせます。
Uber Eatsも出前館も稼働のタイミングは自分で決められる働き方ですが、注文が集中する時間帯に加算が乗る設計は共通です。
平日の21時以降しか動けない方と、土日の昼に3時間まとめて動ける方では、相性のよいサービスも稼ぎ方も変わってきます。
本業の翌日に響かない範囲で、週に何時間まで出せるかを先に決めてください。
時間帯を決めないまま登録すると、アプリを開かないまま放置になりがちです。
Uber Eatsと出前館の条件を比べる

2社の違いは、報酬の決まり方と入金の間隔に集中しています。
| 項目 | Uber Eats | 出前館 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 業務委託 | 業務委託 |
| 報酬の構成 | 配送料+チップ | 成果報酬制(基本報酬400円+ブースト) |
| 支払いサイクル | 週単位 | 毎月15日・末日締め、各5営業日以内 |
| 登録年齢 | 18歳以上 | 18歳以上(高校生不可・上限なし) |
| 使える車両 | 徒歩・自転車、125cc以下のスクーター、125cc以上のバイク・軽自動車 | 自転車・バイク・車 |
| 任意保険 | 125cc以上のバイク・軽自動車は登録時に証書が必要 | バイク・車は加入が必須 |
| 使えない車両 | 特定小型原動機付自転車 | フル電動自転車・電動キックボード・電動アシスト自転車(法令の基準に適合した既製品の電動アシスト自転車は除く) |
※2026年9月時点の各公式サイトの記載です。
条件は改定されることがあります。
条件の差は稼ぎ方そのものに直結するので、順に確認してください。
Uber Eatsの報酬と支払いの条件
2026年9月7日に確認した公式の説明では、Uber Eatsの報酬は配送料とチップの2つで構成されていました。
配送料は配達リクエストを受けた時点で予定額が画面に示され、チップは配達後に加算される流れです。
支払いは週単位で、売上はドライバー用アプリから確認できます。
登録は18歳以上、配達方法は徒歩・自転車、125cc以下のスクーター、125cc以上のバイク・軽自動車から選べます。
125cc以上のバイクや軽自動車で登録するときは、任意保険または共済保険の証書が必要です。
特定小型原動機付自転車は配達車両として登録できません。
フル電動自転車とペダル駆動の電動自転車は道路交通法で原動機付自転車として扱われるため、その区分で登録することになります。
出前館の報酬と支払いの条件
基本報酬は1件あたり400円です。
契約は業務委託で、この400円に配達距離・曜日・時間帯・天候などを考慮したブーストが加算される成果報酬制になっています。
締め日は毎月15日と末日の2回で、各締め日から5営業日以内に登録銀行口座へ入金されます。
週単位で支払われるUber Eatsに比べると、入金の間隔は長めです。
応募は18歳以上で高校生は不可、年齢の上限はありません。
禁止車両として挙がっているのは、フル電動自転車・電動キックボード・電動アシスト自転車の3つです。
ただし法令の基準に適合した既製品の電動アシスト自転車は、この禁止から外れます。
バイク・車を使う場合は任意保険への加入が必須となります。
掛け持ちは登録後に判断する
掛け持ちの判断は、両方に登録して実際に走ってからで構いません。
同じエリアでも注文の入り方や1件あたりの距離はサービスごとに違い、条件の一覧だけでは自分の時間帯に合うほうを見極められません。
副業は稼働できる時間が限られるので、入金の間隔が資金繰りに与える影響も見ておきましょう。
ほかにも配達のサービスは複数あるので、報酬や車両の条件は各社の公式ページで確認してください。
登録から初回配達までの流れ

登録から初回配達までは、4つの工程を順に進めるだけで完了します。
複数のサービスを比べる前に、まず1社に登録して実際の流れを体験してみてください。
年齢と車両の条件を満たす
登録できる年齢は、Uber Eats・出前館とも18歳以上です。
出前館は高校生の応募を認めておらず、年齢の上限は設けられていません。
配達に使う車両は、自転車や徒歩、125cc以下のスクーター、125cc以上のバイクや軽自動車から選びます。
Uber Eatsでは特定小型原動機付自転車を配達車両として登録できません。
出前館はフル電動自転車や電動キックボードを禁止車両としているので、手持ちの車両が該当しないか先に確かめてください。
バイクや車で走る場合、出前館は任意保険への加入を必須としています。
免許の区分と保険の有無を応募前に整理しておくと、登録の途中で止まる事態を避けられます。
アプリで登録し本人確認を済ませる
登録の入口は、スマートフォンのアプリか公式サイトの応募フォームです。
氏名と連絡先、配達に使う車両を入力したうえで、本人確認書類の画像を提出する工程が入ります。
用意する書類は車両ごとに違い、運転免許証や任意保険の情報を求められることもあるので、先に手元へそろえておきましょう。
審査にかかる日数や書類の細かな指定は変わることがあるので、Uber Eatsや出前館の公式の案内で最新の条件を確認してください。
アカウントが有効になった時点で、アプリから配達のリクエストを受け取れる状態になります。
配達バッグなどの装備をそろえる
最低限そろえたいのは、配達バッグ、スマートフォンのホルダー、モバイルバッテリーの3点です。
料理を水平に保てないと汁物がこぼれ、受け渡し時のトラブルにつながるので、バッグは容量よりも中で荷物が動かない構造かどうかで選びます。
地図を表示したまま走り続けると、スマートフォンの電池は想像よりも早く減っていきます。
自転車で配達するなら、ヘルメットやライト、雨具も先に準備しておきましょう。
バッグの指定や貸与の扱いはサービスごとに変わるため、買いそろえる前に公式の案内を確認してください。
初回は近距離の案件から慣れる
最初のリクエストが届くと、受けるか見送るかを短い時間で判断することになります。
慣れないうちは店舗と届け先の距離が近い案件だけを受けると、受け取りから受け渡しまでの流れを一巡できます。
自宅や職場の周辺など、道が頭に入っているエリアから始めてください。
1件目から件数や金額を追う必要はありません。
報酬は距離や時間帯、加算の有無で変わるので、まず1社に登録して数件こなし、自分の生活時間に合うかどうかを確かめましょう。
事故やケガにはどう備える?

事故やケガへの備えは、労災保険の特別加入・加入の手続き・任意保険・サービス側の補償の4つで考えます。
自転車でも公的な補償に入る道があり、バイクや車では任意保険が前提になります。
それぞれ確認していきましょう。
自転車の配達員も労災に特別加入できる
2026年9月7日に確認した厚生労働省の案内では、令和3年9月1日から労災保険の特別加入の対象が拡大されていました。
自転車を使用して貨物運送事業を行う方が対象に加わり、フードデリバリーの自転車配達員も特別加入できます。
令和6年11月1日施行の特別加入保険料率表では、この区分の第2種特別加入保険料率は1000分の11でした。
業務委託の配達は雇用契約ではなく、本来は労災保険の対象になりません。
特別加入は、自分で保険料を負担して補償を受ける例外的な仕組みです。
加入しておけば、配達中のケガの治療や休業について給付を受けられます。
加入は特別加入団体を通して行う
手続きは、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体を通して行います。
一人親方等の団体が窓口となり、個人が労働基準監督署へ直接申し込む形にはなっていません。
2026年9月7日に確認した厚生労働省の労災保険への特別加入のページに、承認済みの団体の一覧表と保険料率表が置かれていました。
費用や加入できる職種の範囲は団体ごとに違うので、補償の条件と並べて比べてから決めてください。
承認を受けた団体かどうかは、申し込む前に公式の案内で確かめておきましょう。
加入の手続きが済むまでは、補償のない状態で走ることになります。
初回の配達より前に、候補となる団体を調べておくと安心です。
バイクと車は任意保険が必須
バイクや車で配達するなら、任意保険への加入は避けて通れません。
出前館では、バイク・車を利用する配達員に任意保険への加入が必須と定められていました。
稼働時間が長くなるほど、走行距離も交差点を通る回数も増えていきます。
業務での使用が補償の対象になるかは契約ごとに異なるので、加入済みの保険がある方は保険会社に確認してください。
サービス側の補償範囲を確認する
配達中の事故がすべてサービス側の補償でまかなわれるとは限りません。
補償の有無と適用される条件は各サービスの案内に書かれているので、登録の段階で読んでおきましょう。
使う車両が規約で認められているかも、合わせて確認します。
Uber Eatsは、配達パートナー向けの案内で特定小型原動機付自転車を登録できないと示しています。
規約に反する車両で走れば、そもそも配達自体が認められません。
複数のサービスに登録するなら、一つずつ条件を読み比べてください。
副業として続けるときの注意点

続けるうえでの注意点は、収入の振れ幅・維持費・稼働量・続けるかどうかの見極めという4つを、始める前に考えておくことです。
どれも走り出してから慌てて調整するのは難しいので、順に確認しておきましょう。
収入は天候と需要で上下する
出前館の報酬は、基本報酬400円に、配達距離・曜日・時間帯・天候などを考慮したブーストが加算される仕組みです。
Uber Eatsでも、配達に要する予定時間や交通状況、注文量などをもとに配送料が算出されます。
雨の日の夕方と、注文の少ない平日の午後とでは、同じ1時間を使っても手取りが変わってきます。
注文が入らない時間の待機や移動が、そのまま報酬になるわけではありません。
単価と件数の掛け算で月収を見積もらないようにして、数か月ならした平均で家計を組んでください。
車両とスマホの維持費がかかる
手元に残るのは、受け取った報酬から維持費を引いた額です。
自転車ならタイヤやブレーキの整備、バイクならガソリン代と整備費がかかり、配達バッグや雨具、スマホの通信料も積み上がっていきます。
出前館ではバイク・車で配達する場合、任意保険への加入が応募条件でした。
労災保険の特別加入を使うなら、その保険料も固定費に加わると考えてください。
出ていく項目は使う車両で変わるので、何にいくら必要かを書き出してから車両を選びましょう。
稼働量の上限を先に決めておく
週に何時間まで走るかを、始める前に決めておいてください。
件数がそのまま報酬に反映される働き方は「あと1件」と伸ばしやすく、気づくと睡眠時間を削ることになります。
本業の集中力が落ちたり、疲れた状態で交通量の多い道を走ったりすれば、副収入では取り返せない損が出ます。
休む曜日と、走る時間帯の枠を先に固定してしまう決め方が現実的です。
上限に届いたらアプリを閉じる、と決めておくだけでも走りすぎを防げます。
合わなければ別の副業に切り替える
1〜2か月続けて時間あたりの手取りが見合わないなら、無理に続ける理由はありません。
配達の報酬は、エリアの注文量や天候といった、自分の努力では動かしにくい条件に左右されます。
体力や本業のシフトとの相性も、実際に走ってみて初めて見えてくる部分です。
合わないと分かったこと自体が収穫なので、生活リズムに合う仕事へ移す判断も早いほうが得になります。
下記の記事では使える時間ごとに仕事を比べているので、次の候補選びに役立ててください。
在宅のスキマ時間でできる副業は、数多くあります。アンケートモニターやポイ活が代表例です。本格的な起業準備には向きません。まずは小さく始めて副収入を得たい人や寝る前の30分などのスキマ時間を活用したい人には最適です。そのため本記事では、[…]
準備3点を決めてからフードデリバリーを始めよう
フードデリバリーの副業は、就業規則の確認・稼働時間帯の設計・申告と住民税の手順という3つの準備がそろえば、会社員でも現実的に始められます。
着手する順番は、勤務先の規則で副業の可否と届け出の要否を確かめることからです。
次に、本業の睡眠時間を削らない稼働時間帯を決めてから、1社だけに登録してください。
登録先を最初から増やすと、収支の記録が追いにくくなります。
稼働初日から記帳をはじめておけば、申告の時期に慌てずに済みます。