段 ─ 12
濃さの単位は、時間ではなく回数です。
藍は、染料を濃くしても色は濃くなりません。濃くなるのは、 沈めて・上げて・空気に当てる、この往復の回数だけです。当舎はその回数で青を12段に切り、 古い色名で呼び分けています。
甕覗2
水浅葱4
浅葱6
空色9
縹12
薄藍15
藍18
中藍24
濃藍30
紺36
留紺42
褐返48
数字は、木綿1反をくぐらせる回数(目安)。麻は同じ回数で1段淡く、絹は1段濃く出ます。
一覧
どの段で仕立てるかは、洗う回数で決めてください。
よく洗うものほど濃い段を選びます。藍は洗うと落ちるのではなく、 表面の余分が取れて澄んでいくので、濃い段は10年目のほうが良い色になります。
| 段 | 名 | くぐり | 向く布 | 向くもの | 棚 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 甕覗(かめのぞき) | 2回 | 木綿・絹 | 肌に触れる小物、裏地 | 1点 |
| 2 | 水浅葱(みずあさぎ) | 4回 | 木綿 | 手ぬぐい、夏の襟元 | ─ |
| 3 | 浅葱(あさぎ) | 6回 | 麻 | のれん、風通しのよい上着 | 1点 |
| 4 | 空色(そらいろ) | 9回 | 木綿 | シャツ、子どもの服 | 1点 |
| 5 | 縹(はなだ) | 12回 | 絹 | 帯揚げ、羽織の裏 | 1点 |
| 6 | 薄藍(うすあい) | 15回 | 木綿・麻 | 日常の上着 | ─ |
| 7 | 藍(あい) | 18回 | 木綿 | 作務衣、前掛け | 1点 |
| 8 | 中藍(なかあい) | 24回 | 麻 | のれん、書棚の覆い | 1点 |
| 9 | 濃藍(こいあい) | 30回 | 絹 | 帯、式のための羽織 | 1点 |
| 10 | 紺(こん) | 36回 | 木綿(厚地) | 仕事着、道具袋 | 1点 |
| 11 | 留紺(とめこん) | 42回 | 木綿(厚地) | のれん、外に掛けるもの | ─ |
| 12 | 褐返(かちがえし) | 48回 | 木綿(厚地) | 刺し子、長く使う道具袋 | 1点 |
なぜ12で切ったか
13段目は、目で見分けられませんでした。
はじめは16段で呼んでいました。ところが、隣の段と並べて置いたとき、 染め場の者でも当てられない組が4つ出ました。見分けられない差に名前を付けると、 注文のたびに言葉が食い違います。
そこで、並べて誰でも区別できる幅まで間引いて、12段にしました。 褐返の先にも青はありますが、そこから先は黒として扱います。
名前は、見分けられる差にだけ付ける。