甕覗舎KAMENOZOKISHA

1957年創業 ─ 天然灰汁発酵建て

いちばん薄い青の名を、屋号にしました。

甕覗(かめのぞき)は、藍の十二段のうち最も弱い青の名です。濃い藍は、誰が見ても褒めます。 薄い青で選んでいただけた日にはじめて、この仕事が伝わったと思うので、そちらを屋号にしました。

反物の棚を見る 藍の建て方

藍甕の液面に浮かぶ泡の筏。奥にもう一本の甕。
朝、甕をのぞく。泡が立っていれば、その日は染められる。
6藍甕(かめ)の数・首まで地面に埋めてある
14藍を建てるのにかかる日数
12青の段。甕覗から褐返(かちがえし)まで
18〜48一反をくぐらせる回数。濃さで変わる

甕から上がったあとの3分

布は、甕から上がった瞬間は緑色です。

引き上げた布は、黄みがかった緑をしています。空気に触れて3分ほど置くと、 染料が酸化して、そこではじめて青になります。染め場で見ているのは、 青くなる前の緑が青へ変わっていく時間です。

一度で濃くはできません。緑から青へ変わりきるのを待ち、また沈める。 この往復を、いちばん濃い褐返で48回くり返します。

染めていません。染まってもらっています。

竿に掛けて干された三枚の布。左から淡い浅葱、中ほどの藍、ほとんど黒に近い留紺。
干し場。同じ甕から上げても、くぐらせた回数で青の深さが変わる。

十二段

青は、十二回まで数えられる。

当舎は青を12段に分けて呼びます。段が上がるたびに、くぐらせる回数が増え、 赤みが落ちて、最後は紫を帯びた黒に近づきます。名前はどれも古い色名です。

甕覗1
水浅葱2
浅葱3
空色4
縹5
薄藍6
藍7
中藍8
濃藍9
紺10
留紺11
褐返12

十二段の一覧を見る

板の上に十二本の反物を淡い順に並べたところ。手前にそれぞれの端布が解いてある。
十二段を並べたところ。左端が甕覗、右端が褐返。

反物の棚

同じ番号は、二つありません。

甕の機嫌はその日ごとに違うので、同じ段を同じ回数くぐらせても、 仕上がりは少しずつずれます。だから当舎の反物は一点ずつ番号を打ち、 在庫は「反」ではなく「点」で数えます。

気になる一点は、棚の画面から72時間だけ取り置けます。 その間に、実物を見にお越しいただくか、端切れをお送りします。

棚をひらく

お引き受けできないこと

断っている仕事が、三つあります。

藍甕6本でできることには限りがあります。無理に通すと甕が痩せて、 次の一年の青が落ちます。以下は、はじめにお断りしています。

  1. 色見本どおりの色に合わせる仕事

    指定の色票に寄せるには化学建てが要ります。当舎の甕では再現できません。

  2. 月に100反を超える量

    甕6本が一年に染められるのは、およそ1,300点です。月100反を通すと甕が保ちません。

  3. 前回とまったく同じ色の追加染め

    同じ甕でも半年経てば青が変わります。近づけることはできますが、同じにはできません。

染め直しと、持ち込みの日