Work 03 — 2022
峠の集会所
30世帯ほどの集落が、葬儀と祝いの両方に使う建物です。
「120人が入って、柱が邪魔にならない広間がほしい」というのが、最初にいただいた条件でした。
この土地の垂直積雪量は 1.8m。ふつうなら中間に柱を立てて梁を短くします。
ここでは屋根の形そのものを構造にして、12mを一跨ぎさせました。使ったのは、集落の裏山で育った杉だけです。
Drawings
図面
屋根の形が、そのまま構造になっている。
左右の壁から棟へ向かって、240×450 の登り梁を差し掛けます。 梁どうしが棟でぶつかって押し合うので、雪の重さは水平方向の力に変わり、 その力を床下の引張材で受け止めます。柱は1本もありません。
材はすべて集落の裏山の杉です。長さ 7m を超える材は取れないので、 梁の中間で継いで、継ぎ目を金物ではなく込み栓で留めました。
朱で示したのが登り梁です。この5本だけで 12m を跨いでいます。
畳を上げれば、葬儀の場になる。
広間は 12,000×10,400。畳を敷けば祝いの席、上げて土間床を出せば葬儀の場になります。 どちらの使い方でも人の流れが交わらないよう、出入口を2つに分けました。
厨房は集落の当番が立つ場所です。配膳台を広間との境に置き、 大皿をそのまま滑らせて出せる高さに揃えています。
朱の線は、断面図で見た登り梁の位置です。畳の割りつけと梁の位置を合わせてあります。