お断りしていること
昨年、47 件お断りしました。
理由は三つに分かれます。
お問い合わせをいただいてから断るのは、お互いの時間がもったいないので、先に書いておきます。 1,840 台お預かりして、47 件。だいたい 40 件に 1 件です。 断った 47 件のうち 31 件は、条件を変えて後日お受けしています。
「紙だけください」
KAMI DAKE測らずに証明書だけ、というご依頼です。監査が近い、書類が揃っていない、という事情は分かります。 それでもお受けできません。この紙は「測った」という意味しか持っていないので、 測らずに出した時点で、私たちが売っているものそのものが無くなります。 当所の分銅が国の原器まで五代つながっているのも、途中の誰も紙だけを出さなかったからです。
「今日中に」
KYOU JUUお預かりした日のうちにお返しすることは、原則としてできません。 トラックの荷台と校正室では温度が違い、金属は温度で伸び縮みします。 ひと晩なじませない値は、翌日にはもう合いません。 合わない値を急いで書いた紙は、無い紙より質が悪いです。 ─ ただし、現地でお伺いする形なら当日中に終わることがあります。ご相談ください。
「この場所のまま、この精度で」
BASHOプレス機の隣、台車の通り道、送風口の真下。 そういう場所に置かれた天びんを、置いたままで高い等級に合わせることはできません。 揺れが止まらないので、そもそも読む瞬間が来ません。 この場合は校正をいったん止めて、台と場所の相談から始めます。 動かせないときは、等級を下げて現実に合う値でお出しする道もあります。
断ったあと
断って終わりにすると、同じ依頼が来年また来ます。
お断りするときは、代わりにできることを必ず一つ置いてから帰ります。 昨年の 47 件のうち 31 件が後日の受注に変わったのは、そこで話を止めなかったからです。
| 断った理由 | 代わりに置いてくること | 後日お受けした数 |
|---|---|---|
| 紙だけ | いまある記録から、監査で説明できる範囲を一緒に切り分ける | 21 件中 12 件 |
| 当日仕上げ | 現地で行う日程と、前夜に開けずに置く場所の確保 | 18 件中 15 件 |
| 場所 | 台の脚と設置位置の見直し(図を置いてきます) | 8 件中 4 件 |
断った日にいちばん喜ばれたのは、
「このはかりは、その用途には元から向いていません」と言ったときでした。
お預かりしたはかりが、そもそもその現場の要求に足りていないことがあります。 最小表示が 1g のはかりで 0.5g を読もうとしている、といった場合です。 校正しても解決しないので、そのときは校正費用をいただきません。昨年は 6 件ありました。
お受けしていること
逆に、こういうご依頼はよくお受けしています。
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1 台だけ、初めての校正
台数の下限はありません。厨房のはかり 1 台からお受けしています。 はじめての方は、お伺いして 90 分ほどお話を聞くところから始めます。
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記録がどこにもない状態からの立て直し
前任者が退職して、何をいつ校正したか誰も知らない、という状態です。 台帳を作るところからお手伝いします。昨年は 9 社ありました。
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2月の休市日のような、動かせない一日
1962 年から、この町の魚市場の秤は毎年 2 月の休市日にお預かりしています。 止められる日が年に一日しかない現場は、その一日に合わせて段取りを組みます。