製氷缶の断面 / 48時間
外から凍り、濁りは最後に真ん中へ集まる。
缶ひとつに水135キロ。上から見た断面で、48時間のあいだに何が起きているかを追います。 下へ読み進めると、図が同じ順で変わります。
図は上から見た断面。濃いところが、まだ凍っていない水です。
はじめは、ただの水です。
缶に入れるのは、活性炭と中空糸を通した市の水道水。ひと缶で135キロ。 ここから48時間、水は一度も止まりません。缶の底から1分に12回、空気を送って動かし続けます。
壁に触れているところから凍る。
12時間で、外側に厚さ34mmの氷ができます。凍った分だけ、水に溶けていたものが内側へ押し出される。 動かし続けているのは、押し出されたものを氷に巻き込ませないためです。
半分まで来ると、水のほうが濁ってくる。
折り返しです。残った水には、はじめの水のおよそ2倍の濃さで、押し出されたものが集まっています。 ここで送気を止めると、その濁りがそのまま凍りつきます。24時間目がいちばん気を抜けません。
最後に凍る場所を、あらかじめ真ん中に決めておく。
外から均等に凍らせるのは、見た目のためではありません。 どこが最後に残るかを決めるためです。決めておけば、あとでそこだけ落とせます。 缶の隅が先に凍りすぎないよう、36時間目に缶の向きを一度入れ替えます。
48時間。芯だけが白い。
残った44mmが、白く濁ったまま凍ります。 これは失敗ではなく、急いで作った氷が全体に抱えている濁りを、一か所に集めた姿です。 集めたから、取り除けます。
白いところを、幅40mmで落とす。
帯のこで芯を落とし、透きとおったところだけを切り分けます。 ひと貫135キロのうち、およそ12キロが商品になりません。 落とした12キロは捨てずに、店先の水槽と、夏の配達の保冷に回しています。
同じ48時間でも、缶の場所で仕上がりが変わります。
槽は28缶。冷媒の配管に近い缶ほど早く凍るので、同じ時間で上げると厚みが揃いません。 当所は缶を3つの列に分け、列ごとに2時間ずつ引き上げの時刻をずらしています。 下の表は、2026年8月のある一日の記録です。
| 列 | 缶の数 | 引き上げ | 芯の幅(平均) | 落とした重さ |
|---|---|---|---|---|
| 手前 | 10缶 | 48時間00分 | 44mm | 11.8kg |
| 中 | 10缶 | 50時間00分 | 41mm | 11.2kg |
| 奥(配管側) | 8缶 | 46時間00分 | 47mm | 12.6kg |
数値は見本のために作ったものです。