打上げのときは、側面に畳む
ロケットの中では、パドルを本体の左右の面に伏せて留めます。この状態で振動試験を通します。留め具は火薬を使わず、電熱線で溶けるひもで縛ります。
機体の失敗のうち、いちばん多いのは太陽電池パドルが開かないことです。開かなければ電力が足りず、その先の機能はすべて意味をなくします。だから当社は、展開の機構だけは外注しません。
HEKIKU / DEPLOYMENT
SOLAR ARRAY DEPLOYMENT / 4 STEPS
ロケットの中では、パドルを本体の左右の面に伏せて留めます。この状態で振動試験を通します。留め具は火薬を使わず、電熱線で溶けるひもで縛ります。
ロケットから離れて姿勢が落ち着くまで待ちます。回転が残ったまま開くと、ばねの反動で機体が回り続けてしまうためです。
根元が直角まで開いてから、外側の一枚がほどけます。順番を決めておかないと、二枚が同時に動いて途中でぶつかります。
ヒンジは開ききった位置で機械的に固定され、戻りません。戻せる機構にすると、戻ってしまう故障をひとつ増やすことになるからです。
試験は「壊れないことを確かめる場」ではなく「どこが弱いかを見つける場」です。1回目で出た不具合を直し、直した状態でもう一度かけます。
| 試験 | 条件 | 時間 | 見ているところ |
|---|---|---|---|
| 正弦波振動 | 5 – 100 Hz / 2.0 G | 各軸 3 分 | 共振する周波数が設計とずれていないか |
| ランダム振動 | 20 – 2000 Hz / 8.4 Grms | 各軸 2 分 | ねじの緩み、はんだの割れ |
| 熱真空 | −25 ∼ +60 °C / 10⁻⁵ Pa | 8 周期 | 機器が温度で止まらないか、放熱が足りているか |
| 展開 | 常温大気中・吊り下げ | 20 回 | 毎回同じ順番でほどけるか、固定されるか |
| 電磁両立性 | 30 MHz – 6 GHz | 2 日 | 自分の出す雑音で自分の受信を潰していないか |
全部を内製すると、どれも中途半端になります。当社が自分で作るのは、壊れたときに機体全体が死ぬ四つだけです。
それ以外——受信機、電池セル、姿勢制御用の車輪、推進系——は、実績のある製品を買って組みます。買ったものは、当社の試験にかけてから積みます。
この四つが止まると、他が無事でも機体は使えなくなります。だから設計図を人任せにしません。
軌道上での使用実績が10年以上ある製品だけを選びます。新しい部品を試すのは、地上の試験機に限っています。