琅珠工房ROJU ATELIER
MAKING — つくり方

溶かして流さず、叩いて締めてから削ります。

鋳造(溶かした金属を型に流す方法)なら半日で形になります。それでも当工房が鍛造(たんぞう)を続けているのは、指輪が毎日ぶつかる道具だからです。叩いて金属の目を詰めた棒からしか削り出しません。

作業台の胡桃(くるみ)の板に、霜・灯・凪の三つの指輪が並べて置かれている
  1. 工程 01

    地金を叩く(鍛造)

    棒状の地金を、金槌で端から端まで叩いて締めます。太さが1割ほど落ちたところで止めます。ここで手を抜くと、あとの磨きでどれだけ光らせても、数年で角が丸くなって痩せて見えます。

  2. 工程 02

    輪にして、継ぎ目を消す

    丸めて両端を突き合わせ、同じ金属で溶接します。継ぎ目は、あとから探しても分からない位置まで削り合わせます。サイズ直しのときに開けるのも、必ずこの場所です。

  3. 工程 03

    断面を削り出す

    外側の丸み、指に当たる内側の丸み、腕の細りを、この段階で決めます。図面の数字どおりには削りません。おふたりの指の形を見て、0.1mm単位で外します。

  4. 工程 04

    石を留める

    爪を立てた状態で石を落とし、四方から同時に寝かせます。一本ずつ倒すと石が傾きます。倒したあと、爪の先を丸め、内側まで磨きます。ここを磨くかどうかで、石に入る光の量が変わります。

  5. 工程 05

    仕上げて、もう一度測る

    磨くと金属はわずかに減ります。仕上げてから測り直し、注文の号数から外れていれば、その場でもう一度広げます。お渡しの日は、その場でもう一度はめていただきます。


断面のこと

見えない側の丸みが、つけ心地のほとんどです。

外側の形は写真に写ります。指に当たる内側は写りません。ところが、10年つけたときに差が出るのはこちらです。当工房は内側を甲丸(こうまる)に削り、角を残しません。

角が残る断面 指に当たる面 ── 平ら。角が2か所 むくみが出た日に、この角が食い込む 甲丸(こうまる) 指に当たる面 ── 山なり。角なし 同じ幅でも、当たりが1点に集まらない 幅 3.0mm 幅 3.0mm
図は説明のために誇張しています。実際の甲丸の落ちは、幅3.0mmの指輪で0.35mm前後です。

爪の高さ

光を取るか、引っかからないか。
この一つを決めるのに、いちばん時間をかけます。

石と四本の爪の寄り。爪の先が丸く落とされている
3.0mmほとんど引っかかりません。光は控えめです。手袋を頻繁に使う方に。
3.4mm当工房の既定。日常で困らず、下を向いたときにきちんと光ります。
3.8mm光は最も入ります。ニットと髪には気を配っていただく高さです。

高さの見本を手にはめてみる